2024年10月1日
半年を振り返って
博士課程の生活を後から振り返れるように、ブログを書くことにした。開始から半年が経った10月、いまの気持ちを書き留めておきたい。
博士課程が始まって、半年が経った。これで博士生活の6分の1が終わったことになる。
4月からSchwinger boson法の研究を始めた。先行研究はかなり調べ込み、手法の特徴や使い方はだいぶ身についたと思う。原著論文を一から丁寧に再現し、三角格子やカゴメ格子など、いくつかの先行研究の結果も再現した。S. Sachdev 著 “Quantum Phases of Matter” の大部分を読み通せたことも、一つの自信になっている。
物理を楽しむことを第一の目的に博士課程へ進んだ自分にとって、業績は必ずしも最優先ではない。だから、単純な興味からグラフェン・モアレ系の勉強や量子計量の勉強、簡単な模型でのDMFT計算などにも手を出して、使える技術を着々と増やしてきた。相転移・臨界現象や分数量子ホール効果の教科書を読んだり、量子スピン液体/格子ゲージ理論のレビュー論文を複数読んだりして、物理の興味を広げられたことも、ポジティブに働いていると信じている。
一方、肝心の研究——Kitaev磁性体にSchwinger boson法を適用する方法、欲を言えば、広く局在磁性体の模型全般に適用する方法——については、自分として納得のいくやり方がまだ見つかっておらず、苦戦を強いられている。思いつく方法は手計算でも数値計算でも試し尽くしたが、いまのところ全くうまくいっていない。正直、こんなところでもたついていないで、先行研究で報告されているいくつかの結果を自分なりの方法で早く確かめたい。しかし、その前段階で相当ごたついているのが現状だ。
唯一の救いは、指導教員の那須先生が、じっくり(裏を返せば、ゆっくり)考えることに寛容なことだ。「博士課程の3年間は業績にとらわれず、自分の満足がいくまで考えればいい」という言葉は、何も進んでいないのではないかという焦りを吹き飛ばしてくれた。
一筋縄ではいかないのが研究だ。それでも、残りの2年半も、自分の満足がいくまで考え抜きたい。